2017.3.8

基本から水耕栽培まで!知っておきたい水と胡蝶蘭の関係とは?

カテゴリー:水、胡蝶蘭
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水にぬれたピンクの胡蝶蘭

胡蝶蘭を育てるときの、適切な水の取り扱いについて知っていますか?

根に水を貯える習性をもつ胡蝶蘭は、水の与え方が他の植物と大きく異なります。

今回は、胡蝶蘭を扱うプロである私たち「アロンアロン」が、胡蝶蘭を育てるときの水の扱い方の基本と、よくある疑問を解説します!

胡蝶蘭を水耕栽培するときの注意事項も紹介していますので、最後まで読んで、胡蝶蘭と水の関係を理解してくださいね。

目次

胡蝶蘭を育てるなら知っておきたい「水」のこと

露の乗った植物の葉

まずは、胡蝶蘭と水に関する基本的な情報を確認していきましょう。

水は毎日あげちゃダメ!


胡蝶蘭の水やり方法は、他の植物とは大きく異なります。

胡蝶蘭の根には水を貯える習性があり、他の植物と同じように水を与えると、水分過多で病気になる可能性があるのです。

育てるときは、胡蝶蘭にあった方法・量・頻度で水を与えてください。

胡蝶蘭のキホンの水やり方法


以下の表に胡蝶蘭への基本的な水の与え方をまとめましたので、確認してくださいね。

頻度 1週間~10日に1回程度
1回あたりの量 500ml前後
与え方 鉢内の空気を入れ替えるように、根元へゆっくり与える

湿度確保には「霧吹き」を使用
熱帯雨林が原産の胡蝶蘭は、60~80%程度の湿気を好みます。

空気が乾燥しているときは、葉に霧吹きをして加湿してください。

胡蝶蘭と水に関する《Q&A》

胡蝶と水に関するQ&A イメージ

胡蝶蘭を育てるときの水の扱い方の基本は、理解できましたか?

ここからは、胡蝶蘭と水に関するギモンを《Q&A方式》で解説していきます!

Q:水をあげるタイミングはどうしたらわかるの?


A:植え込み材を触ってみて、乾いてるなと思ってから3日後がベスト!
目安は7~10日に1度ですが、正確なタイミングを計るには根元の植え込み材に触れてみましょう。

植え込み材が湿っているときは、前回の水やりから1週間以上経っていても、まだ水を与えなくて大丈夫です。

Q:1年中ずっと同じように水をあげればOK?


A:季節、気候によって変えた方がいい!
四季のある日本では、気候や気温の変化にあわせて胡蝶蘭の水やり方法を変えるのが望ましいです。

以下の表を参考に、水の与え方を変えてあげてくださいね。

《季節ごとの水やり方法》
春・秋 頻度、量、与え方すべてキホン通りでOK
梅雨 自分で与えるよりも、極力自然の雨を積極的に与える
【室外栽培の場合】基本的には毎日、たっぷり500mlほど与える
【室内栽培の場合】2~3日に1度を目安に、たっぷり500mlほど与える
1か月に1度、比較的暖かい日を選んで、200mlほど与える

季節ごとの水やり方法について詳しく知りたい方は、あわせて【プロが徹底解説!株が元気になる正しい《胡蝶蘭の水やり方法》】の記事もチェックしてくださいね。

Q:あげる水の温度は常温で大丈夫?


A:基本的にはOKだが、冬だけは要注意!!
熱帯地域原産の胡蝶蘭にとって、日本の冬の水は南極の水温に相当します。

胡蝶蘭がびっくりしてしまわないよう、冬は水温を人肌程度まで温めてから与えてください。

Q:水をあげすぎるとどうなるの?


A:根腐れという病気になります!
胡蝶蘭の根は蒸れに弱く、水の与えすぎによって根が蒸れた状態が続くと「根腐れ」という病気になってしまいます。

根腐れを起こすと植え替えなどの処置が必要になるので、水の与え過ぎには注意してくださいね。

胡蝶蘭って水耕栽培はできるの?

水耕栽培のイメージ

水の与え方が他の植物と異なる胡蝶蘭ですが、土や植え込み材を使わない「水耕栽培」も可能です。

ただし、常に根が水に触れる水耕栽培は、通常の育て方に比べ根腐れを起こしやすくなるので注意が必要です。

水耕栽培で胡蝶蘭を育てたいときは、以下の2つを厳守するようにしてくださいね。

◆水は、根の先だけに触れる量にする
◆水は毎日必ず入れ替える

胡蝶蘭の水不足や根腐れによって起きる症状と対処

胡蝶蘭は水不足や水の与え過ぎなど、水に関するトラブルによってさまざまな症状を引き起こします。

ここからは、どのようなトラブルを生じるのか確認しましょう。

葉がふにゃふにゃになる



胡蝶蘭の葉がふにゃふにゃになる原因は、「水不足」または「根腐れ」が考えられます。

◆水不足が原因の場合

水不足とは水やりが少ないことを意味し、植え込み材が乾燥していると推察できます。

植え込み材は土の代わりをして根を守っていますが、乾燥しすぎると植え込み材が保持している水分がなくなるため、胡蝶蘭の根に水分を与えられなくなるのです。

その結果、胡蝶蘭全体が水不足となり、葉がふにゃふにゃになってしまいます。

◆根腐れが原因の場合

根腐れとは水不足の反対で、水やりを行いすぎたことで根が腐った状態のことです。

もともと胡蝶蘭は土の中に根を張らない植物で、空気に含まれる水分を吸収しながら成長しています。

そのため水やりを行い過ぎると、根が水分過多となって腐ってしまうのです。

植え込み材が適度な水分を胡蝶蘭に与えられるよう、1週間から10日を目安に水やりを行うとよいでしょう。

根が黒くなっている



根が黒くなるのは根腐れを起こしたことによって、感染病を引き起こしていることが原因と考えられます。

特に内側の根は通気性が悪く根腐れを起こしやすいため、注意が必要です。

根が腐ったからといって、株自体が腐っているわけではありません。

一部の根だけ黒くなっている状態であれば、黒くなった根のみを切り取ることで、健康な胡蝶蘭に戻る可能性があります。

そのため根が黒くなっているのを見つけた際は、被害を拡大させないためにも、ハサミですばやく切り離すのが大切です。

根を切り取る際に、消毒したハサミを使用することで、新たな感染を防ぎやすくなるでしょう。

根が黄色くなっている



根が黄色い場合は、カビ菌に感染している可能性があります。

胡蝶蘭がカビ菌に感染する主な原因は、植え替えの際に使用する作業道具からの感染が濃厚です。

胡蝶蘭に触れるハサミはきれいに消毒しておくことで、感染を防ぎやすくなります。

黄色くなった根を触ったときに中が詰まっている状態であれば、株は生きている可能性があるため、そのまま様子を見ましょう。

水やりをしすぎると根の通気性が悪くなり、感染がさらに悪化する恐れがあるため、適度に水やりをしながら様子を観察します。

いかがでしたか?

胡蝶蘭を育てる上で切り離せない水との関係を確認して、胡蝶蘭を長く楽しんでくださいね。



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